2024年2月22日にデジタル社会創造研究部門シンポジウム「人間中心のデジタル社会をデザインする」を開催致しました。基調講演者に京都芸術大学教授で、デザイナーとしてご活躍の早川克美先生をお招きし、「デジタル社会におけるデザインの価値〜サインデザインの事例から」というタイトルでご講演を頂きました。サインデザインの歴史、意義の変容を振り返りながら、当氏がこれまで手がけたサインデザインの実践、そこから見えるこれからのデジタル社会のデザインに向けて考えるべきデザインの観点と課題をご提言下さりました。
その後、当本部ディレクター・教授 大石裕介先生より、当本部で実際に行われているDX関係研究、そのゴール、実際にデジタル社会実現に向けて、何を考えるべきかについて報告がありました。
パネルディスカッションでは、前半部にて、本学の4名の研究者による、パネリスト講演が行われました。牛尼剛聡先生(大学院芸術工学研究院)より、Web情報学の観点から、牛尼先生のご研究から考えるAIの活用とAIを育てる人間の役割、意義についてご講演がありました。
松隈浩之先生(大学院芸術工学研究院)より、デジタルコンテンツデザインの観点から、当氏がされてきたシリアスゲームのデザイン、意義、リアルとバーチャルの融合による、人間の行動変容の可能性についてご講演がありました。
池田浩先生(大学院人間環境学研究院)からは産業・組織心理学の観点から、バーチャル環境におけるリーダーシップについてご講演がありました。リモートワークといったデジタル社会における働き方の1つの形態が広がる中、職場環境の変化、その中の人間の行動変容、特にリーダーシップのあり方についてご示唆下さりました。
梶原健佑先生(基幹教育院)より、法学・憲法学の立場から、デジタル社会における法学的、憲法学的観点から、法学・憲法学の考え方をご説明下さり、検討すべき個人情報、個人としての尊重、誤認を受けない権利など、ご講演がありました。また、デジタル社会が広がる中、様々なコミュニケーション、ビジネスがグローバル化する中、国家間で実効されている法律の関係など検討材料も示されました。
パネルディスカッションでは大石先生がモデレーターを務められ、基調講演・パネリスト講演に基づいて、デジタル社会において検討すべき観点、全てが最適化されることの意味・懸念などについて議論が交わされ、大変活発な場となりました。
デジタル社会創造研究部門では今後も総合知DXによる研究を進め、デジタル社会創造に向けた社会実装を考えて参りたいと思います。このようなシンポジウム、研究会も継続して行っていく予定です。